村木厚子さんと東電OL | 共同合宿所

村木厚子さんと東電OL

膝をうってしまった。
虚偽公文書作成により逮捕された村木厚子さんの無罪が確定した、彼女のポリシーが「目標を低く設定すること」。だというのだ。つまり、
「体調を崩さないこと」
「落ち込まないこと」
とにかく負けない。勝とうとしなくていいから、負けないこと。
でなければ検察=強者には勝てないと。
さすが均等法施行以前に労働省という霞ヶ関の舞台では、女一人では戦い抜いてはこれないのだと。

ああ、自分も会社員生活で、とにかく体調を崩さず、落ちこまなければ、もうちょっと楽にやってこれたのかなあ~なんて思ってしまうのだが、やっぱり体調はよく崩してしまうんだな。これが。

で、ここまでは深イイ話。
けれど、このいい話を持ちあげてくれたLove Peace Club代表の北原みのりが、そのブログの記事「村木厚子さんと東電OL」で、東電OLと引き合いに出したのはちょっとゲンナリしてしまうのである。
ぎんぎんのロックをカラオケ歌ってたら、次のイントロ演歌きたよ~、みたいな語り口じゃね?

東電OLは学歴エリートとして女性総合職として東電に入社。でも現実はお茶くみもさせられ、いやいや茶碗を振って洗ったら割ってしまった過去もあったわけだけれど、まあだからといって、ふつーにお茶くみを黙って乗り越えてきた村木さんと比べられる必要はないよね。
もちろん、北原みのりは、『村木さんのやり方が「賢かったから」というだけではない。東電OLが「間違っていた」からじゃない。』と断っているものの、それが真意とは文脈からは受け取りませんから私。
むしろ東電OLに近い側の北原みのりはシンパシーを感じてるんだろうけど。

東電OLは出世で女性差別を受け、そして、自らの女性性に抑圧され、そして売春に走った。1000万円の年収があるのに。まあ女性性に抑圧されたのは確かだろうし、売春の動機もそうだったのかもしれない。最初は。
しかし、売春がここから数年日々のノルマのようにエスカレートしていったのは、ある種、趣味の領域っていうか、要は麻薬と同じで中毒ってやつじゃないかと。仕事の虚しさや女性性の承認をここで癒していたとかいうのは物凄い妄想にすぎないんじゃないのかな。
別に仕事で認められる人生がすべてではないし、むしろ高収入で毎日定時に帰れる環境にあるのなら、そこを楽しむのも一つである。
女性学として東電っていまだにそんなに面白いネタなのですか?フェミニストは、何かここに演歌を作りたがるような気がしてならない。